プライム市場上場効果が多方面に
競合の少ない「契約譲受」を営業の柱にして更なる成長を
株主の皆様におかれましては日ごろより多大なるご高配を賜り、誠にありがとうございます。
当社は2022年9月に東京証券取引所グロース市場に上場し、1年後の2023年9月にはプライム市場へ区分変更いたしました。この市場区分変更により大きな効果がありました。お客様への信頼が増したことや人材採用がより活発になったことに加え、社員の士気も高まり、期初の業績計画から予想以上に売上、利益ともに伸ばすことができました。
利益率が上昇を続けているのは、コロナ禍を経て、利益率の改善に力を入れてきたからです。13期にわたって保険業に特化することで、保険業界内での地位を盤石なものとしてきました。そして、14期となる2023年11月期からは初めて保険業以外の分野にもサービスを拡げ、広告事業や教育事業が売上として加わったことで利益率の向上に繋がりました。
あわせて「自社集客」の増加も利益率の改善に寄与しています。4年前から積極的にCM出稿を行い、「マネードクター」のブランドがようやく認知されて、成果が出始めました。お客様にとって、「誰もが知っている代理店」へと近づいたことで、契約高も上がりました。認知度向上のために、ブランディングは引き続き積極的に進めてまいります。
「営業社員の増強」については、2023年11月期の採用数は過去最高となり、昨年の倍となる312名の純増となりました。これは保険営業経験者の採用だけでなく、保険営業が未経験の他業種からの採用が増えたからです。当社は未経験者でもトッププレイヤーになれる仕組みを構築してきました。専業主婦(夫)の方や看護師といった専門職から転職し、トッププレイヤーとなった方も多く在籍しています。あわせて、離職者が減ったことも関係しています。これは上場効果に加えて、見込み客探しは会社が行う仕組みがあることも要因です。また、創業以来、営業社員はその地域に属する人の採用を進めてきたことで、地方・地域の働き口としても認知されつつあります。その結果、地方公務員や、地方銀行の行員からの応募も増えています。これからも全国津々浦々に人員を配置して地方活性化にも貢献していきます。
「契約譲受」は3年目のビジネスとなり、順調に譲受合意契約数を伸ばしております。これは経営者の高齢化などによって維持できなくなった代理店のお客様を当社に移管するというビジネスです。自分が引退したら、長年にわたって担当したお客様が心配だという気持ちは同業者としてよくわかります。このビジネスは、移管後のお客様を当社の営業社員が担当し、保険のアフターフォローや見直しを行うため、お客様の満足度が非常に高いのが特長です。
保険商品は日々進化しており、がん保険などは見直しをすることで、保障が手厚くなるケースもあります。移管を機にお客様の保障内容の見直しを行ったところ、喜んでいただくことも数多くあります。
これからも移管を希望する企業や代理店は増えていくと思われます。この分野は大きなビジネスに発展していく可能性が高く、今後は当社の営業の柱となると考えております。
「マネードクタープレミア」は、ワンランク上のお金の総合サービスとして、主に主要都市のデパートや⼤型商業施設に展開しています。店舗はお客様が思わず入りたくなるような高級感のある造りを意識しております。また、お客様が安心してご相談いただけるよう個室を完備し、お客様のプライバシーへの配慮もしています。内容によっては士業の先生に相談できることも好評いただいており、現在すべての店舗で土日の予約はほぼ満席となり、手応えを感じています。
「損害保険ビジネス」については、更新型ビジネスのため、毎年決まった手数料収入が見込めます。今後、経営の安定化のために力を入れていきます。また、損害保険代理店の方が生命保険代理店よりも代理店主が高齢なケースが多いことから、契約譲受についても推進してまいります。そのために損害保険専任の営業社員を増員し、売上の増加を目指します。
このほかに、売上が利益に直結するような利益率の高い事業も始めています。そのひとつが広告事業で、当社の「マネードクタープレミア」店舗に設置しているサイネージボードに掲出する広告を受注しています。2023年11月期から始めたばかりですが、非常に良いスタートを切っています。もうひとつが教育ビジネスです。依頼いただいた他企業の従業員の皆様に金融リテラシー教育を行うもので、受注数が増えています。
上場の目的のひとつとして、企業としての信頼度を上げ、「ガラス張りの経営」をすることで働きたい人を増やすことがあります。信頼度が上がったことで、転職先として当社を候補に挙げてもらえるようになりました。働きたい人が増えることで、今まで応募のなかったような職種の方や、金融業界でトップクラスで活躍されていたような人材も集めることができています。
また既存社員もプライム企業の一員であるという意識が高まり、仕事へのモチベーション向上にも繋がっています。今期、当社では「プライムクオリティ」というスローガンを掲げて、社員の質もプライム企業にふさわしいものにしていこうという気運が高まっています。
当社は成長期に入ったと考えております。これまでの13期は自己資金だけでオーガニック成長を続けてきましたが、これからは良い出会いがあればM&Aも行いたいという意向です。
2023年11月期には、営業社員の証券外務員資格登録を進めてきたこともあり、今年1月から始まった新しいNISAについても十分に手応えを感じています。保険業以外の成長の柱も増やしていきます。基本的に20パーセント増益を最低限の成長として、そこにどれだけ上乗せできるかが勝負です。上場効果、新規ビジネスの開拓、マネードクタープレミアの強化があれば20パーセント成長は難しくはないと考えております。
今年はプライム市場に区分変更して初めての通期となり、当社の成長戦略が表に出せる年になります。この1年で確固たる結果を出して、しっかり中期計画を立て、それが実現できる企業であるというメッセージを発信し、ご期待に応えてまいります。期待をプレッシャーではなく、やりがいと感じておりますので、皆様にびっくりしていただける1年にしたいと思います。
創業13年で上場させていただきました。当社は成長投資と株主還元をバランスよくできる企業であると思っております。どちらに偏ることなく、両方ともしっかりとやっていきます。現在の配当性向45パーセントは適正であり、無理に出している数字ではありません。ここを最低限として株主還元を続けていくことは可能だと考えております。株主の皆様への還元と、当社の成長していく姿を楽しみにしていただきたいと思います。
当社はストック収⼊も貯めながら堅実に経営してまいりました。そして、創業から10年あまりで売上⾼が当初の50倍ほどになりました。
スタートラインであるプライム市場上場を果たした今、保険業だけに留まらず、国⺠全体に⾦融商品やお⾦の使い⽅について、新しい視点でご提案したいと考えております。人員増も寄与し、できることは多いと思っております。目標は確実にやり遂げて、信頼を築いてまいります。
当社のこれからの成長にぜひご注目ください。